3. 授乳について

★母乳とミルクの違い
 母乳もミルクも授乳時間は15分程度と違いはありません。ただし、授乳間隔に少し違いがあります。
 母乳は欲しがるときに、ミルクは3時間以上あけて授乳します。ミルクの場合に授乳間隔をあけるのは、ミルクが母乳に比べて消化吸収に約2倍の時間がかかるためです。あまり時間をあけずに授乳すると、嘔吐したり消化不良になる可能性があるので注意しましょう。

🍼生後すぐ~1か月
母乳は欲しがるタイミングで。10回/日以上。
ミルクは3時間以上間隔をあける。
🍼2~3ヶ月
母乳は欲しがるタイミングで。8-10回/日程度。
ミルクは3時間以上間隔をあける。6回/日程度。
🍼4~5ヶ月
母乳は欲しがるタイミングで。5-7回/日程度。
ミルクは3時間以上間隔をあける。5回/日程度。

 母乳だけ飲んでいる赤ちゃんに太りすぎの心配はありません。なぜなら、母乳は飲み始めと飲み終わりでその成分が違い、飲み終わるころには脂肪分が多くなり、赤ちゃんにとってちょうどよいお腹になるからです。食欲をコントロールできない赤ちゃんに代わって、母乳はその役割を果たしています。母乳を作ることに関わっているプロラクチンというホルモンは、夜間の授乳の際に1.5倍出るので母乳育児には夜間の授乳が大切です。

★授乳中のお母さんの飲み物・食べ物 
 授乳だから『これはNG』という食べ物はなく、トータルカロリーを意識すれば大丈夫です。お母さんが食べたいものを食べられないとストレスが溜まってしまいます。量に気をつけて上手に摂取していきましょう。ここではご質問の多い項目をご紹介いたします。

・カフェイン
 母乳によって赤ちゃんにカフェインが移行する量は1%程度です。しかし、カフェインの摂取量が多ければ多いほど移行する量も増えます。授乳中のカフェインの摂取量は1日300mgまでを上限とする事が推奨されています。コーヒーであればカップ2杯程度、紅茶であればカップ4杯程度、煎茶であればカップ6杯程度が目安です。また、カフェイン入りの飲み物を飲むなら授乳後がおすすめです。
・ママのおやつ
 市販のおやつを摂取しても問題はありませんが、塩分・油分・糖分の摂りすぎには注意しましょう。おすすめは、和菓子(あんこ)・さつまいも・ナッツ・小魚・シリアル・フルーツ・おにぎりなどです。

 母乳とミルクの特性を知っておくと、お悩みの解決になるかもしれません。この他にも授乳に関するご質問がありましたらいつでもご相談ください。(小児科ナース)