7. 弱視スクリーニング検査

弱視とは
 こどもの視力は、「繰り返してものを見る」ことで発達します。生後1か月では眼の前で動くものしか見ることができませんが、1歳で0.2、3歳半で0.7-1.0まで視力は成長します。しかしこの時期に、何らかの原因で物を見ることができなかったり、物を見ることができにくい状態にあったりすると、眼の視力は低下して弱視が発症します。つまり、弱視とは医学的に「視力の発達が障害されておきた低視力」のことをいいます。その頻度は約2%といわれています。
 弱視を発症する危険因子は、屈折異常(近視、遠視、乱視など)、斜視、不同視、形態覚の遮断(まぶたが下がっていて見えにくいなど)です。このうち多いのは斜視と屈折異常です。治療の基本は弱視の原因を見極め、弱視眼を積極的に使うようにしてあげることです。視力の成長は他の成長と同様にいつかは止まり、臨界期を過ぎると治療に反応しにくくなります。早期発見・早期治療が大切です1)2)

弱視スクリーニング検査
 スクリーニング検査では、Welch Allyn社のフォトスクリーナー3)を用います。斜視、近視、遠視、乱視、不同視、瞳孔不同をわずか数秒で検知することができます。生後6か月以降の乳幼児から検査が可能です。
 クリニックでは、主に乳幼児健診の際に検査を実施します。そのほか、視線が合わない・横目で見る・片目を隠すと嫌がる・目を細めたり顔を傾けたりする・テレビの位置が近い・極端に眩しがるなどの症状がみられる場合、3歳児健診や就学前検診で視力検査ができなかった場合などに実施いたします。お気軽にご相談ください。(自費検査: 1,000円。ただし初回乳児健診時は無料。)
 なおスクリーニング検査で弱視の危険因子が検知された場合は、眼科診療機関にご紹介いたします。

1)日本弱視斜視学会ホームページ “一般の皆さまへ
2)Vision for Future 14, 2018
3)SpotTM Vision Screener